【感想】『夢介千両みやげ』『Sensational!』(2022・雪組・東京宝塚劇場)

2023/03/20 旧ブログより移転

『夢介千両みやげ』公演概要

人好し、お節介な心優しき青年・夢介の活躍を描く傑作小説を、痛快娯楽時代劇として宝塚歌劇で舞台化致します。
小田原・庄屋の息子・夢介は、父親から“通人”となるため千両を使っての道楽修行を言い渡され江戸へ向かう。道中、“オランダお銀”と呼ばれる女スリに懐を狙われる夢介だったが、夢介の朴訥で底抜けな優しさに触れたお銀は一目惚れ、押しかけ女房となり二人は江戸で奇妙な同棲生活を始める。夢介に相応しい善い女房になろうと努力するも元来気性の激しさを抑えきれないお銀。遊び人飛脚屋の若旦那・伊勢屋総太郎ら個性豊かな江戸の人々が巻き起こす騒動を、夢介は“金と優しさ”で解決して行く。
善意の塊のような夢介との出会いが人々にもたらすものとは、そして夢介の道楽修行の結末は?
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2022/yumesukesenryoumiyage/index.htmlより引用

『夢介千両みやげ』感想

東宝のチケを3枚確保していたのですが、1枚おじゃんになってしまいました。無念。

和物ということで、あまり得意ではないかも……と初日前は思っていました。蓋を開けてみるとムラで先に観劇された方たちからの評判がとてもよく、また何も考えず楽しめるコメディとのことだったので、期待値はかなり上がっていました。登場人物がコミカルで、時代劇に寄せすぎていないキャラクター造形が親しみやすく面白い演目でした。

以下、今回公演プログラムを買い忘れてしまったのでうろ覚えで……。

幕が開くと咲ちゃん(彩風咲奈)がせりあがってきて自己紹介、からのオープニングナンバーで盛り上がります。舞台後方にきわちゃん(朝月希和)がしゃんと立っていて、自己紹介ソングを歌い継ぎます。きわちゃんのお銀さんは、「娘盛りも知らぬまま~」と歌う通り、御救小屋で育ち暗い過去を持っていたことは感じられるのですが、それを過剰に匂わせない演技が好みだと感じました。これはソラカズキの演じる三太も同様で、彼ら彼女らの一人の人間であり同情や憐憫を受け取らない姿勢が、夢介の衒いのない優しさを外側から形作っているように思えます。

「惚れちゃったのさ~♪」の歌もかわいいですよね!最初は銀橋を渡りながら1人で歌うのに、後半に差し掛かる場面ではデュエットしながら歌うのでさらにグッときます。特に2回目のデュエットの時は、「夢さんもしっっっかりお銀さんに惚れてるんだなあ……」と幸せな気持ちでいっぱいになります。歌劇か何かで咲ちゃんが「夢介は最初からお銀さんをかわいいなと思ってる(意訳)」と言っていた通りで、心優しい夢介ではありますが、女性に言い寄られてもきっぱりと断ることができる強さは持っています。押しかけ女房を制止しなかったのは、お銀を真人間にしたいだけではなく、夢介自身がお銀に惹かれていたからなんだろうなと……。

あがたくん(縣千)の演じる金の字は着流しが似合います。肩幅や体の厚み、雑に動いたときに見える足の筋肉などがリアル男性的でよく映えるのと、雪組に同じ系統の男役さんがいないのでぱっと目を引きます。

あと特に気になったのが、何といっても妃華ゆきのさん演じる浜次!夢介に泣きつく演技はいかにもわざとらしく、それでいてメンチを切るところでは威勢よく、お銀に挨拶に来るところなんて嫌味ったらしいマウントの取り方と潔く手を引く美しさなど、どれも江戸時代に本当にこんな女性がいたかも、と思わせる演技で見惚れました。
あと滑舌が良くて台詞がすっごく聞き取りやすい!『CITY HUNTER』や『Sweet Little Rock'n Roll』を観たときにはお名前を知らなかったので、これからウォッチしていきたいです。

愛すみれさんには『ほんものの魔法使』『Sweet Little Rock'n Roll』ともにコミカルなお芝居で魅了されてしまっていましたが、今回は春駒太夫という気の強く大人な女性で、これもまた大好きになりました。本当に何をやっても似合うのですごい。浜次・春駒・お銀の3人で夢介を囲んで歌う場面なんかも、愛すみれさんウォッチャーと化していました。お糸ちゃんに優しいのもいいですよね。

朝美さん(朝美絢)演じる総太郎は、現実にいようものならどうしようもないカス野郎。ただそのカス野郎を上手く現実からずらして、コミカルでかわいらしくデフォルメして演じているのがとても魅力的でした。なんせあの顔あの(以下略)。ほんまほ以降、朝美さんとひまりちゃん(野々花ひまり)の組み合わせに惹かれがちなので、今回もうまくハッピーエンドで終わってよかったです。
それにしても組長・副組長の演じる伊勢屋のご夫婦の演技が、「確かにこんなダメ息子になっちゃうかも……」と絶妙に感じさせる親バカ具合で唸りました。総太郎に結婚が決まった時の浮かれ方もかわいかったです。

汝鳥さん(汝鳥伶)の演じる嘉平は、なんだか『婆娑羅の玄孫』で観たぞ…(笑)という既視感。今回もぼっちゃん大好き心配性のじいやで、憎めないまっすぐな愛らしさがあります。


『銀ちゃんの恋』を観劇したり『幽霊刑事』をスカステで拝見したときは、正直石田先生のお話はどちらかというと苦手かも、と感じたりしていたのですが……。全体的に駆け足であることは否めないものの、たくさん人物が出てきてわちゃわちゃしているお話は好きなので楽しめました。

『Sensational!』感想

全体的にギラギラでかっこいい感じのショーです。戦隊ものと言われる()冒頭のテンションの上がりよう……!男役と娘役の並び具合でなぜか『モアー・ダンディズム!』を思い出したり、そういう宝塚らしさがしっかりありつつ、夢介では隠されていた咲ちゃんの都会的な魅力(と、長い長い脚!!)を存分に味わえます。

プロローグのあと銀橋に咲ちゃんがひとり残って歌う曲はまた雰囲気が違って、素朴な愛の歌といった趣でとても好きです。
そのあと舞台真ん中に現れるのはあがたくん!!改めて、あがたくんってショースターだなあとしみじみ感じます。踊っているときに、K-POPとかでいう表情管理(?)が完璧で、はっきりした目鼻立ちでくるくると色んな表情に変わるのでついオペラグラスで追ってしまう存在です。あと、後ろに下がった時でも本当に楽しそうに踊るので見ているこっちがわくわくします。生命力に溢れとる……。

意外と言うか順当と言うか、今回から諏訪さきくんがよく目立っていたような……!あみちゃん(彩海せら)の組替えに際して、空いたポジションに収まったと言えばそうかもしれませんが、とにかく歌も踊りも器用にこなして渋いカッコよさがあります。
まず冒頭の順番に銀橋渡るやつでもメンバーにいましたね。中盤ごろに、オケピからすっと出てきて銀橋でワンフレーズ歌い、組長・副組長と合流して3人になる場面では色気満載でした。副組長と組んで踊っても学年差を感じさせない落ち着きがあって、見ていて安心できる職人的存在です。あと顎がしっかりある人が好きなので顔が好きです

それから、組替え1作目のソラカズキ。これがとんでもないオペラグラス泥棒で(失礼)、ソラカズキが舞台に登場すると周りのオペラがサッッッ!!!と上がる上がる……。歌っても踊っても芝居させても何させてもべらぼうに上手く、まだこちらとしても雪組の和希そらを見慣れていないので良い意味で新鮮さがありました。
オーロラっぽい場面(?)の前に、ベージュ色の衣装で出てきてけっこう激しめに踊るのですが、初めて見たときは裸足で踊っているのかと思ってびっくりしました。それくらい伸び伸びと踊っているように見えて……。咲ちゃんと2人で踊っているときも、2人ともタイプが違うので2倍おいしい!って感じで眼福です。

今作で退団するあやなちゃん(綾凰華)。銀橋でのソロはご自身で作詞されたということで、まっすぐな歌詞が胸に沁みます。星組雪組を歌詞にちりばめ、ファンの方への感謝を告げてこれからの未来へ希望を抱くような歌詞で、とっても素敵でした。あやなちゃんのかっこよさって男らしいというよりまさに「男装の麗人」というような、男性には表現し得ない美しさがあるところだと思っていて、しっかり「男役・綾凰華」を見納めしてきました。
余談ですが私は『PR×PRINCE』のヴァレンティン王子が大大好きなので、あんな感じの王子様!って衣装を最後に観たかったな~と思っていたところ、今月号のGRAPHのサヨナラポートレートがザ・理想の白軍服で最高でした。ありがとう宝塚歌劇団……。

中村一徳先生演出と言うことで、今回も若手がギャンギャンに銀橋を渡りまくってくれるのですが、雪組の若手をまだまだ知らないのでもっと勉強していきたいところです。

近況

*以下ただの私記です。

なんとバタバタしている間に更新が5か月ぶりという事態に……。
しかもオタクをしていなかったわけではなくて、全然ヅカ沼に浸かっていました。最後の記事がロマ劇ですが、あれから『Sweet Little Rock'n Roll』『TOP HAT』『Rain on Neptune』は現地で観劇し、『冬霞の巴里』はチケットが手に入らなかったので配信で。歌劇やGRAPHも欠かさず購入していたのですが、観劇の余韻に浸りながらゆっくりブログを書く時間が取れませんでした……。

というのも、今回から東京宝塚劇場……とあるように、大阪から引っ越しました。初めての一人暮らし、初めての社会人生活と慣れない諸々が襲ってきて謎のストレスで若干ハゲたりしました。悲しい。
東宝もいいんですが、やっぱりムラの広々とした空間が恋しくなります。GWは帰省していて母とめぐ会いを観劇予定でしたがまさかの公演中止で。その前のネバセイも手持ちチケットが軒並み吹っ飛んでしまって観られなかったので、久しく宝塚市に足を踏み入れていません。
東宝組の方、これからなにとぞよろしくお願いします……(?)

夢介1回目は勤後ダッシュで有楽町に向かい立ち見で観劇したのですが、足が棒になりました。オタクにそんな体力はなかったし、2時間半パンプスで立ちっぱなしは寿命が縮むという学びを得ました。

ちょっと日が経っていて記憶があやふやですが、つぎはレイネプの感想も書こうかなあと思ったり……。今週末は『FLY WITH ME』『ガイズ&ドールズ』と幸せいっぱいの予定なので、平日中に上げたいです。

【感想】『今夜、ロマンス劇場で/FULL SWING!』(2022・月組・宝塚大劇場)

2023/03/20 旧ブログより移転

先日、母と一緒に月組新トップコンビお披露目公演『今夜、ロマンス劇場で』を観劇してきました~!
今回初めてチケトレを利用したのですが、チケットカウンターでの受け渡しになるので特別デザインチケットはもらえないんですね……。全落したので見られただけありがたいんですが、デザチケ見ていいな~って思いました。

公演概要

映画監督を目指し助監督として働く健司は、足繁く通っていた映画館・ロマンス劇場で、奇跡的な出会いを果たす。それは、映写室で見つけ繰り返し観ていた古いモノクロ映画のヒロイン・美雪──健司が密かに憧れ続けていた女性であった。突然モノクロの世界から飛び出してきた美雪に、戸惑いながらも色に溢れる現実世界を案内する健司。共に過ごすうちに強く惹かれ合っていく二人だったが、美雪はこの世界へ来る為の代償として、ある秘密を抱えていた……。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2022/romance_gekijo/index.htmlより引用

原作は2018年に坂口健太郎綾瀬はるかコンビで上演された映画です。芸能人にド疎い私でもこの二人はさすがに分かります(?)が、映画があまり得意ではないので、特に原作は履修せずに観劇しました。

今夜、ロマンス劇場で』感想

毎度の如くネタバレ満載なので、未見でネタバレ断固拒否!という方はブラウザバックをお願いします……!

公演プログラムにもある「見つけてくれてありがとう」という言葉。これ、オタクなら誰しも1度は推しに言われたい言葉だと思うんです。原作プロデューサーの方は、このインターネットの時代にコンテンツの入れ替わりスピードが加速度的に上がっていることに触れていますが、そんな中で「一生心に残る」作品を見つけることは難しい。
星の数ほどのアイドルや芸能人がいて、アニメや漫画・小説などコンテンツに溢れていて、それでも巡り会えた「推し」に対しては、「ずっと光っていてくれて、見つけさせてくれてありがとう」という気持ちになります。そして牧野健司の場合は、それが美雪だったんですよね。
この物語は言うなれば、激推ししてたら爆ファンサが返ってきたという単推しオタク大勝利のストーリーだと思います(趣ゼロのまとめ方)

れいこさん(月城かなと)演じる牧野健司は、序盤はポヤ~ッとした青年。おだちん(風間柚乃)演じる山中がチャキチャキしてるのに対して、どこか頼りない感じです。京映の製作所で助監督として働きつつ、頻繁に「ロマンス劇場」に通っては古い映画のヒロイン・美雪に恋焦がれる……。そして、映画から飛び出してきた美雪と恋に落ちるわけなんですが、その過程がまた素敵で!
健司は少女漫画のヒーローのようにオラついてたり、優雅にエスコートするわけではなく、たどたどしく美雪を庇い、彼女の行動をハラハラしながら見守る、ちょっと情けなくも包容力に溢れた男性で、そこに美雪が惹かれていくのはとても説得力がありました。たとえば大蛇丸の「強引な求婚」なんてロマンチックですが(ヌルヌルネチネチしてるけど……)、美雪は自分の話を聞いてくれない男にはときめかない。舞台設定は1960年代と少し昔ですが、そういう心情描写が現代的なので共感しやすいと感じました。

劇中劇、昭和の映画の話……なんてところで『銀ちゃんの恋』のことを思い出します。ただ舞台設定以外の部分は真逆と言っていい作品です。あと銀ちゃんは最初から最後まで突風のような作品でしたが、ロマ劇は序盤に少々物足りないくらいゆっくりと健司の身近な世界が描かれ、中盤以降に大きく物語が動くという構成になっていました。

公演中に驚いたのは、舞台セットの使い方がとてもきれいなところ。スクリーンに映画が映し出されて、そのあと薄い幕が上がって実際の舞台に切り替わる部分(←うまく説明できなくてすみません……)など滑らかで、全く違和感を感じませんでした。また、美雪に色の美しさを教えた健司が二人で銀橋を渡ると、銀橋が七色に照らされて虹がかかる演出も素敵でした。
最後、美雪の住むモノクロ映画の世界へ健司が行って、花を手渡すと鮮やかに色が広がっていく……という場面では「美雪がこちらの世界へ来た時の感動」が観客にも共有されているような感覚を覚えました。色の使い方でいえば、モノクロ映画から飛び出してきた白黒の美雪⇔色づいた世界の健司、という構図が、ラストの病院のシーンでは逆になっているところも上手ですよね……。健司の人生の中で、色を持ち自分の意志で動いてきた美雪がどれだけ美しかったのか伝わってきます。

スターさんでいうとやはり、組替えが決まり月組での大劇場公演はこれが最後となってしまうありちゃん(暁千星)につい目が行きました。大蛇丸は出番がものすごく多いというわけではないものの、健司の恋敵()ポジションだし、美雪の秘密を伝える役割もあるので大事なキャラクターです。こういうはっちゃけた演技も自分のものにできるありちゃんが、星組でも活躍しているところをたくさん観たいです!(その前にブエノスアイレスのチケットが当たりますように……)
反対に、今回から月組に組替えしてきた彩みちるちゃんも、健司に健気~な片思いをする塔子を好演していました。こっちは美雪のライバルなわけですが、バチバチすることなく二人ともかわいらしかったです。元々魔法使やCHでみちるちゃんのお芝居が大好きだったので、芝居の月組に組替えすると分かったときは楽しみな気持ちでいっぱいでした。実際観劇してみても「もとから月組でした」レベルに馴染んでいてあらためて感激。あみちゃん(彩海せら)の組替えも楽しみです!
また、ちなつさん(鳳月杏)贔屓の母は「なんかおだちんが2番手ぽくない?!」と言ってはいましたが、「俊藤はちなつさんしかできないキャラだよね」という部分の見解は一致しました(笑) とーーにかく足が長い!奇抜な衣装を着せたくなるのもわかる!そして常人には理解しがたい言動と、でも確かに豊かな人間性。あとちなつさんが演じると絶妙な色気があるのも最高ポイント……!

総評すると、お披露目公演としてこんなに素敵な作品はなかなかないのでは!?と思うほど楽しい公演でした。ちょっぴり切なくて、でも幸せで、悪人がいないお話です。欲を言うならもう少し公演期間伸ばしてほしかったです……1か月は短いて……。

『FULL SWING!』感想

いまだにショーの感想の書き方が分からないので超ホヤッとした感じの文章になっております……。

全然関係ない話から始まりますが、先日、父が熱心にスカステを見ているので覗いてみると、れいこさんの初バウ主演公演である『銀二貫』が流れていました(父は普段古いドラマや時代劇を見ているので刺さったらしく、「とても面白かった、華形さんという人(華形ひかる)の演技が良かった」とずっと言っていました)。その時から既にれいこさんの顔面は完成された美しさだったし、演技もとっても上手だったのですが、今回ショーを見て歌やダンスに凄まじく成長を感じたというか……!生で下級生時代を見たわけじゃないのでうまく言えないんですが、『All for One』の放送で初めてれいこさんを認識した母も同じことを感じたらしく、「れいこさんってあんなに声が出て色気があるんだねえ」と感心しきりでした。
今まで練習を積み重ねてきた結果がここまで美しく花開くものなのか、と単純に驚きでいっぱいです。

そんなわけで幕開けからあの輪っか(?)と一緒に出てきたれいこさんにびっくりし、ちなつさんがお芝居と同じように奇抜な服装で出てきて度肝を抜かれ、でもやっぱりカッコよくて謎の感動を覚えるなどしました。ちなつさんのおれはジゴロ♪みたいなやつめっちゃいいですね。
あと銀橋でトップコンビが歌ってる曲(だいぶうろ覚えなんですけど「瞳に映る星が愛になんちゃら~揺れる~♪」みたいなやつ)がものすっごく好きです。家帰ってもずっと頭に流れてるので配信で出たら絶対買います!

そして噂には聞いてましたが、拍手が本当に難しいです(笑)
音感0なので「あ~~めくるめく魂のFULL SWING♪」でどうしてもリズムが分からなくなるし、最後はあきらめがちになりました……。

構成としては、王道っぽい場面が重なりつつもどこかに真新しさ(というか、面白さ・軽妙さ)が入っている絶妙なショーでした。先述したちなつさんのジゴロの場面も、ジゴロ自体はショーに頻出の表象ですが、コミカルな表現を混ぜつつも決してカッコよさを取り逃さないというか。お笑いの場面、で済ませず、最後は粋にキメちゃうのがカッコいいです。
一番衝撃的なのがれいこさんネックレス(?)パクられる場面ですね!!さっきまであんなにクールに踊ってたのに、地団駄ダンス(と勝手に呼んでいる)なんかしちゃって……と思いきや、「フッ」の掛け声一つ、色気で強引に押し戻してくる。温度差で風邪ひきそうです。
今回のショーは全体的にありちゃんの出番も多いように感じました。ありちゃんっていうかカッコよすぎてあり様って感じでした。
何でか分かりませんが男役群舞とデュエダンは記憶がないので割愛……(え?)

フィナーレのトリプルエトワールは迫力満点で、私は男役エトワールを観るのが初めてだったのでかなり興奮しました(前にスカステで天真みちるさんがエトワールやってるのは見ましたが……)。この階段降りのときのうみちゃん(海乃美月)パート、ものすごく音が高くて歌うのが大変そうです。

華やかなショー(『Délicieux』『The Fascination!』など)が大好き!と自負していましたが、『FULL SWING!』のようにシンプルに曲が良く、ちょっと捻った感じの演出のショーも面白い!と感じました。えーん1回しか観られないのが惜しい……。
週末は縣くん(縣千)バウなので、それも楽しみにしてます!

あけましておめでとうございます(近況)

2023/03/20 旧ブログより移転

まさかのブログ更新が4か月も途絶えてしまいました。生きてます。しかも全然まだまだ宝塚にドハマりしています。
昨年9月に『銀ちゃんの恋』の感想を書いて以来ですが、あれからどうしていたかと言いますと、

ってな感じです(?)
順を追って簡単な感想や日記をば……。

沢田研二のコンサートに行った

もはや日課となりつつある(?)おけぴ巡りをしていたところ、沢田研二がツアーで大阪に来ることを知りました。のきやで人生の中の三大コンサートに行ってみたい歌手(残り:布施明野口五郎)だったので、思い切って参戦することに。
驚いたのがファンの熱心さです。コロナ禍だったので声こそ出せませんでしたが、みんなジュリーの一言一言によくよく頷き、曲によくノり、ジュリーをとっても愛しているということが伝わってきました。それだけじゃなくて、世間のイメージ以上に沢田研二というひともファンを信頼していて、オタクと推しの最高の関係を見せてもらいました。
周りは年輩の方が多かったのですが、こんな素敵な推しに巡り会えて最高のオタク人生を送れるなら絶対たのしい!!と明るい未来を感じました(?)
セトリも、ソロ活動50周年記念のライブということで「追憶」「時の過ぎゆくままに」「コバルトの季節の中で」など大好きな名曲があってとても楽しかったです。いやほんと全人類行った方がいいかも(主語デカ)

みりんを買ったら『柳生忍法帖』のチケットが当たった

hinode-mirin.co.jp
↑これに申し込んで、宝塚大劇場の公演が当選しました!

友だちの家に行ったりするたびに、「ねえ料理酒とか切らしてない!?」恫喝質問し、親(※私は実家暮らしです)にも日の出商品の混ざったレシートを切望し、合計で15口くらい申し込みました。
それでも難しいとは分かっていたので、締め切り後はスッパリ忘れていたんですが、父が「なんか届いてたよ~」と郵便ポストからとってきたときにはもう……大喜びで踊りました!!

やっぱり時代はキング醸造の日の出みりんでしょ~~~~!!!!!(ダイマ

モアダンを観た母「これモアー・エレガントじゃない!?(混乱)」
モアダンを観た私「瀬央さんのラ・パッションをウルトラマンのOPに採用しよう(錯乱)」
こんな感じでめちゃくちゃ楽しかったです。

宝塚友の会に入会!

今まではJCBの貸切・知り合いの方のお取次ぎ・公式HPの一般発売・おけぴのお譲りでチケットを購入していました。
私は現在大学4年生なので、社会人になってからクレジット機能付きで申し込みたいな、と元々思っていました。ただステージ制であること・最初の数年は本当に当たらないよ!という話を聞いて、やっぱり作っちゃえ!と申し込んでみることにしました。
申し込んだのはクレジット機能なしのものです。クレカを作ったことがない(↑貸切はJCBデビットカードで申し込んでます)のでクレヒスが真っ白・預金残高が雀の涙で三井住友VISAカードの審査に通るか微妙に不安だったためです……。
クレジット機能なしであれば問題なく作れました!が、Vpassに申し込みたいので何か新しいクレカを作るか悩み中……。

『プロミセス、プロミセス』敗戦……

今まで『ほんものの魔法使』や『銀ちゃんの恋』など、なんだかんだチケットが定価で手に入ったので、コロナ禍にハマった新規オタクとしては「宝塚のチケット難易度」がイマイチ分かっていませんでした。それが、『プロミセス、プロミセス』で人気公演のチケ難の恐ろしさを思い知りました……。特に配信がないと分かってからは激戦だったような。ただ私はキキちゃん担でもソラカズキ担でもない新規なので、贔屓が出演されている方のところにチケットがあるならいいことだと思います(そりゃそう)

『元禄バロックロック』を観劇

母と観劇したり、人生初宝塚!という方をお連れしたり。谷貴矢先生が大好きなので観る前から期待値ギャン上がりだったんですが、柚香さんのクロノスケの美しさやまどかちゃん演じるキラとの絡みにひたすら悶えました。ショーはとにかく華やかで銀橋渡りまくり!オペラ上がりまくり!てな感じの賑やかな公演でした。つかさくん&美咲ちゃんのエーデルワイスとか最高すぎて……!それからホッティーが好きなのでEXCITER!!も嬉しかったです。楽しすぎて体感2秒で終わった。娘役がバーッて並んでザ・ピーナッツの曲歌うところとか、美しさが渋滞していて逆に記憶がすっ飛んでます。
このサイッコーのショーをまさかの!お正月にNHKでフル放送!!てなことで、録画してもう何度も見直しています。見直してみると、今度はひとこちゃんの歌が無限に頭の中で響きます。もしかして:歌声がめちゃくちゃ好き

今後の予定

ODYSSEYは遠征が厳しそうなので配信日の予定を空けたのですが、まさかの全日程中止……。チケットを持っていた方にとっても、そして何より舞台に立つ雪組生にとっても非常に辛い出来事です。花組も東京公演が中止になってしまいました。直前であっても中止を発表できる劇団の英断を誇って、自分たちが今できる感染対策を徹底していきたいです。消毒や手洗いもそうだし、劇場内でお喋りをする人が減りますように。

一応『今夜、ロマンス劇場で』と『Sweet Little Rock'n Roll』は観劇予定があるのですが、これもやはりコロナの動向しだいです……。ロマ劇はとても評判が良く、Youtubeに上がっていた初日映像を見ても面白そうで楽しみ!縣くんのバウはポスターが可愛いですね。これであがあみの並びが見納めになってしまうので目に焼き付けようと思います。

【感想】『銀ちゃんの恋』(2021・花組・梅田芸術劇場シアタードラマシティ)

どう感想を書けばいいのかな~~と悩んでいたら日数が経っていました。

『銀ちゃんの恋』 公演概要

1982年に「直木賞」、1983年に映画版で「日本アカデミー最優秀脚本賞」を受賞した、つかこうへい作「蒲田行進曲」。宝塚歌劇では1996年に、久世星佳主演で初演、2008年と2010年には、大空祐飛主演で再演。異色の題材ながらいずれも大好評を博しました。
自己中心的でありながら、どこか憎めない映画俳優の銀ちゃんが、恋人の小夏や大部屋俳優ヤスなど、個性豊かな「映画馬鹿たち」と繰り広げる破天荒でありながら、人情味溢れる物語が、再び宝塚の舞台に登場致します。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2021/ginchannokoi/index.html より引用


新規オタクなので初演と再演を知らず、またド平成生まれなので原作のことも全く知らず、公演概要を読んでもざっくりすぎて内容が全然掴めません。幕間に公演プログラムを買ったんですが、プログラム後ろの方に載っていたあらすじはもう少し丁寧に書かれていたので開演前に買えばよかったです……。

感想

前置きなのですがこのブログではできるだけポジティブな内容だけを綴っていきたいと思っていて、ただ、あくまで私の趣味とは少し違う物語だったな、と感じています。
『銀ちゃんの恋』のストーリーが大好きでとても思い入れのある、という方が読んでどう感じられるか分からないので、気にされる方はブラウザバックしてください……!


一幕を観る私「ホエ~~(話の勢いに圧倒される)」
二幕まで観終わった私「これタイトル『ヤスの恋』では????????

銀ちゃんも小夏もヤスも演技力が強く要求される、とても難しい役だと思います。銀ちゃんをなんとなーく「ワガママカリスマ俳優」くらいの認識でいたので、「柚香さんがやったら似合いそうだな~(※主観です)」と思っていましたが、実際にマイティーが演じているのを見るとほんっとうにぴったりでした!ポスタービジュアルまんまのド派手な装いに軽妙な雰囲気、そして華やかでありながら昭和の古臭い感じをしっかり出していてカッコよかったです。マイティーが演じると、二枚目映画俳優っていう設定に説得力がありすぎる……!

あと銀ちゃんのライバル俳優・橘がホッティーというのもよかったです。マイティーは面長で伝統的な「二枚目」!って顔立ちしてて、ホッティーは顔が逆三角形でちょっと中性的な現代風イケメンですよね。タイプの違うイケメン二人が並んでたり張り合ってたりするのが大好きなオタクなので、もうお得感しかないって感じです(?)
初っ端から「わしとチッスせい~!chu」ってやつ最高じゃなかったですか?顔がいい……。
橘は物語の本筋(というか小夏関連)にほとんど絡まないため、二幕中盤以降話がどんどん辛くなっていって、最終的にはオペラグラスで橘の顔をひたすら見つめてココロを保っていました。清涼剤や……。

突然の橘・ここがカワイイ・ポイント

  • 先斗町に舞妓、待たせてるんや(小指を立てる)」
  • 「トウキョウでクイズ番組出るんでね!(ドヤ顔)」
  • 銀ちゃんの呼び方が「銀の字」(かわいい!)
  • フィナーレのよく分からん謎の踊り(盆踊りもどき)
  • そもそもロン毛ポニーテールの帆純まひろってその時点でビジュアル大優勝では?(錯乱)

めちゃくちゃ話が反れますが、ロン毛のホッティー見たさにスカステで『蘭陵王』を見たところそっちも最高でした。恋焦がれ嫉妬の炎に狂う帆純まひろの摂取は健康にいい(要出典)

つづいてヒロイン・小夏の星空美咲ちゃん。
研3ですが大抜擢というか、実力に見合うだけの役が与えられたんだ、と感じるくらい全部が上手かったです。まず歌が上手くて歌声が耳に心地いいです!最後、生まれた子供に「蒲田行進曲」を歌って聴かせる場面など、かすれて悲哀に満ちているけど音程は全然外さず感情がよく伝わってきました。
元々会話のやりとりが早いうえに、小夏はヒステリックに叫ばなければならない場面が結構あるのですが、大声を出してもキンキンしないやわらかい声質なのでこれも耳に優しいです。あと手足が長くて女優さんの衣装(序盤の真っ赤なドレス)がよくよく映えます。でもピチピチ(死語)で本当にかわいいので「落ち目の」女優っていうのはやっぱり少し無理があるかも……とは感じました。
これからも観るのがとっても楽しみです。

飛龍つかさくんのヤスは全人類が絶賛してますが(クソデカ主語)、ほんとに非の打ち所がないです。体当たりの、こちらが観ていて辛すぎて目をそむけたくなるくらい真に迫った演技、パワー全部乗ってるんじゃないかっていうくらい豊かに響き渡る歌声、改めてつかさくんの舞台能力の高さに驚きました。
『Dream on!』をスカステで見てつかさくんカッコイイ~!歌うまい!って思ったのに、『アウグストゥス』ではあんまり出番がなく見つけられなかったので、今回たくさん堪能できて幸せでした。
最後部屋中めちゃくちゃにして、ぬいぐるみのくまさん抱きかかえてプルプルしながら怒鳴ってる場面とか、辛すぎて辛すぎてウウウウウン……となっていました。次は超幸せな感じの飛龍つかさを浴びたいです。



私の父は1960年代生まれで「蒲田行進曲」映画のド真ん中世代なんですが、家でもよく昭和のドラマをケーブルテレビで見てるんですよね。大体が刑事ものとか事件もの(?)で、男の都合に振り回された女が他人を殺すか他人に殺されるか、みたいな、全部おんなじ話ばっかりで……。小夏は幸せになるために、自分の好きな男ではなくて自分を好きな男を選んだのに、どうしてこうなっちゃったんだろう、って感じてしまうし、最後「全部(一部?)劇中劇でした~」というオチでも全然スッキリはしないし、演者であるスターさんのことはもちろん大好きですがヤスや銀ちゃんを「憎めない不器用な男」とは思えませんでした。全然憎める(え?) でも何度も書いているように芝居が足りなかったとは全く思わないので、単純に自分の好みの問題なんです……。
おんなじメンタル弱めのヤバ男でも『夢千鳥』はめちゃくちゃ好きなんですけどね……!


あと思い出せることと言えば、一度幕が下りてからごあいさつで再度上がる時、舞台が暗くなってて虹色に光るマイティーがぼんやり浮かんでるのがかわいかったです!()
次の観劇予定『柳生忍法帖』がしばらく先なので、スカステの溜まっている録画をドンドン消費していきたいと思います。そして絶対絶対観たい『プロミセス、プロミセス』が当たりますように……(当選祈願)

『夢千鳥』(2021・宙組)をスカステで見た感想

のきやでです。今更!?てな感じの感想です。スカステのディレイ配信、ゆっくり見たいな~と思って置いてたらいつのまにか3か月以上経過していました……。

公演概要

映画監督の白澤優二郎は、女優の赤羽礼奈と事実上の婚姻関係にありながらも、新作を撮る度に主演女優と浮名を流し世間を騒がせていた。
そんな白澤が挑む次回作は、大正浪漫を代表する画家・竹久夢二の人生を描いた物語。
幼い頃から運命の女を探し続けた夢二もまた、艶聞の絶えない男であった。勝ち気な美貌の年上妻・他万喜と縁を切れないまま、純真な女学生・彦乃への想いを募らせ──
撮影が進むにつれ、白澤は自分と夢二の境界が曖昧になるほどに彼の人生に飲み込まれていく。
夢二の人生を描いた先に、白澤が見つけた愛とは…?

感想

無観客配信だからというのもあるかもしれませんが、どの舞台作品を映像で見ているときよりも映画に近く感じました。舞台転換に不自然なところがないというか、花音舞さんが演じる歌手が「うつら、うつら……」と歌っているのを聞くと、暗転もあっという間に思えます。
実はこれを見た翌日に同じく録りためていた『龍の宮物語』もじっくり見てみました。お話の系統がけっこう似ているので、この2作について比較しつつ感想を書いていくつもりです(どっちのほうが総合的に優れてる!とかいう話ではなく、あくまで好みです)。

まず、和希そらさんって歌もダンスも芝居も何でもできる、ものすごいスターです。特に『夢千鳥』はソラカズキだからこそ宝塚的に仕上がった作品、他のスターさんが演じても好評を得られるかもしれませんが、この内容がこうも抒情的に、しっとりと感じられるのは和希そらが演じているからだと強く思います。
妻・他万喜は(夢二にとって理想の女である姉や、「永遠の恋人」たる彦乃のように)夢二の絵を手放しでほめることはしません。他の男を誘惑し、嫉妬に狂う夢二を見て「もっと妬いて」と高らかに笑います。そんな他万喜に対して夢二は頬を張り倒し、引きずり回して首を絞め、しまいには刃物まで持ち出します。ここで黒い座布団から真っ赤な羽根が大きく舞い上がる演出や、二人の絡み合いをデュエットダンスに見立てて踊らせるのもあまりにも美しくて……。
上記の夢二のDVは見ていられないほどに痛々しいものです。男が一方的に女に暴力を振るうむごい図なのに、なのにどういうことか、夢二のほうが苦しそうな顔をしているんです。他万喜を演じる峰里ちゃんがしゃんと立ち上がると、和希そらの演じる夢二よりも背が高くて。
あとこれも凄いと思ったことなんですが、人は「自分が経験した愛され方」でしか他人を愛することができない生き物。夢二の父・菊蔵は反抗的な態度を見せる彼に「何だその目は!」と激高して殴りつけています。やがて大人へと成長した夢二は自分をきっと睨む他万喜に、「何だその目は……!」と全く同じことを言って、同じように殴りつけます。自分がそうやって(愛と呼べるのか知りませんが)愛されてきたからです。
この脚本、そして和希そらの男役の中では低めの身長と卓越した演技力は、夢二を「暴力的で支配欲に満ちた男」ではなく、「子供の心のまま育ってしまった可哀想なひと」なのだと観客へ示してくれます。

「夢二の愛した3人の女性」には含まれず、出番も少ないのに鮮烈な印象を受けたのが、花宮沙羅さん演じる菊子。何がいいってとーにかく声が綺麗なんですよ……!ここでの「カチューシャの唄」も耳にやわらかい高音で全然キンキンしないし、お客がリクエストするのもうなずけます。「じょうだんよ」の言い方も、文字に起こしたら絶対ひらがなだろうな、と感じるくらいかわいらしくて、それでいて一歩身を引く芸者の切なさやプライドもある。
続けて「所詮私は籠の鳥」と、女学生へのかなわぬ憧れを語る菊子に、夢二はそっとキスをします。何を躊躇うこともなく。この場面、のちに彦乃とのキスを遮るのと対照的ですよね。菊子は夢二にとって「自分より哀れなかわいい女」であり、彦乃は「自分が穢してはいけないと感じた清冽な女」なのでしょう(ところでここの和希そらがえっちすぎて「日活ロマン……?」と支離滅裂なことを口走ってしまうなどしました)。
キスシーンの話がてら、亜音有星くんのことも少し。和希そらと峰里ちゃんを取り合う役どころで、なによりビジュアルが和希そらとまた違ったタイプのイケメン……!役と外見の雰囲気がとてもマッチしていました。背が高く、首が長く、顔は少し丸顔寄り。そして赤羽礼奈とのキスシーンでカメラがアップになるとよく分かるのがつんとした鼻の高さ。ロケットのセンターで立ってても映えるし横顔も美しくて、この圧倒的美に対して「やめましょう。私たち酔いすぎたみたい」と断る場面があるからこそ、最後の「温めてるんだ」の台詞もより爽やかに感じられました。

この舞台では、雰囲気を出すのに当時の音楽が使われています。前述「カチューシャの唄」は1914年、夢二の作詞した「宵待草」が1917年、「青い小鳥」が1926年とまさにタイトル冠の通りの「大正浪漫」の言葉豊かな時代のものたちです。「いつくしみ深き」もそのころには別の題・歌詞で日本に伝わっていたようですし(これは聖歌の授業でウン年前にやったな~と昔を思い出しました)。
フィナーレのナンバーも公演内容に絡めたカバー曲で最高でしたね。「青い鳥は探すんじゃなくて一から育てろ」というメッセージを受けて、白澤監督が選んだのは赤い鳥中森明菜の「ミ・アモーレ」はさすがに知ってたものの、別の歌詞バージョンは初めて聴きました。が、こっちのほうが断然好み!「赤い鳥逃げた」というタイトルに歌詞までぴったりだし、何より「和希そらに中森明菜歌わせたろ♪」という栗田先生のセンスが解釈一致すぎて、ありがたさで天を仰ぐオタクになってしまいます。「夢路より」もただの言葉遊びに収まらず、デュエットダンスをいっそう幻想的に仕立てる素晴らしい歌唱でした。

『夢千鳥』は3人の女との恋愛を描いた作品。だからといって男はずっと同じようすというわけではなく、3人の女それぞれにまったく違う顔を覗かせるのが竹久夢二なのかなと。他万喜にはどうしようもなく、暴れまわる子供のようにぶつかり、彦乃には夢から現れた王子様のように優しく振る舞い、お葉には泣いて縋りついて。私は、夢二が無意識のうちに「相手の求める男性像」を身に着けてしまっている(あるいは、夢二の中に元々すべて備わっている要素だけれど、女の求めるものがよりはっきりと表出される)ように感じました。

↑ここまで書いといて『龍の宮物語』との比較なくない!?となりました。そうです。完全に忘れてました()
舞台の細かな芸術は『夢千鳥』のほうが、結末は『龍の宮物語』のほうが私は好みでした。ただどちらも良作で、これの円盤が出ないなんてもったいなさすぎます!
なんというか、誤解を恐れず言うと、和希そらが『龍の宮物語』をやっても一定の成功を収めそうですが(←もちろんせおっちがベストキャストという前提はあるので「一定の」と書いています)、他のさまざまな男役が『夢千鳥』を上演しても、今の現実の好評に近いほどの人気は得られないんじゃないかな、と思います。序盤の夫婦喧嘩から得も言われぬもの悲しさがなくなってしまったり、リアル男性に近づきすぎた男役では現実のDVがフラッシュバックして素直に楽しめなくなってしまったりしそうな気がします。

ここから先、父とのやりとりについて書くのですが和希そらファンの皆様が気分を害されたらすみません(;;)
『夢千鳥』を見る前日、ちょうどスカステで和希そら・優希しおん・鷹翔千空のDream timeがやっていて、なんと父がぼんやりそれを見ていたんですよね(「シャーロック・ホームズ」に連れて行ったので宙組というワードをぼんやり覚えていたんだと思います)。しばらく見るなり、「このレディースみたいな怖めの姉ちゃんもタカラジェンヌなのか」と聞いてきました。そう、和希そらです…………。
金髪に柄シャツで、あとちょっと三白眼ぽいところ、喋り方がすごく落ち着いているところ、(先輩後輩なんか大体そうなんですが)後輩がかしこまっているのを見て上記のように感じたみたいです。
翌日『夢千鳥』を一人で見ていたら、現実上の人物をモチーフにした作品という点に興味を示して一緒に見てくれました。見終わってから「これが昨日のレディースの姉ちゃん(ド失礼……)だよ」と言うと、驚き半分・納得半分という感じでした。この「納得」がどういうことか、「これが宝塚のアテ書きってやつなんだなあ」という納得です。和希そらも『夢千鳥』も父の想像していた宝塚像とは少し離れていたようですが、その方向性が一緒で納得がいったと。まさにぴったりの役だと感じたみたいです。
あと「シャーロック・ホームズ」の記事でほんの少しだけ書いてますが、実は父は観劇したときも和希そらを一番褒めてるんですよね。笑 本人は名前と顔が全く一致しないとぼやいてますが、案外贔屓なのかもしれません……(??)

【感想】『CITY HUNTER -盗まれたXYZ- / Fire Fiver! 』(2021・雪組・宝塚大劇場)

2023/03/20 旧ブログより移転

目が足りないよ~~~~!!!!!!!てな感じの公演でした。
8/14、8/21公演を観劇したのですが、B席・A席と遠めの席だったので3回目が観たくなっています……(;;)
あらためて、彩風咲奈さん・朝月希和さん、トップ就任おめでとうございます!!

公演概要

新宿を舞台にスイーパー(始末屋)として生きる“シティーハンター”こと冴羽獠。彼が依頼を請け負うのは、美女絡みか、依頼人の想いに“心が震えた時”のみ・・・・。
獠の持つハードボイルドかつコミカルな魅力を、彼を取り巻く個性的なキャラクター達の活躍と共にドラマティックに描きます。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2021/cityhunter/index.htmlより引用

今回公演概要のあらすじ情報量がほぼ無ですね……。『CITY HUNTER』の原作も世代じゃないので全く知らず、どんなお話になるんだろうと思ってました。
また、公演前には阪神競馬場とのコラボレーションサイトができて、そこからスターさん(確か咲ちゃん・朝月希和さん・朝美絢さん・綾凰華さん・縣千さんだったはず)のメッセージ動画が見られたりしたのですが、現在はサイト自体が非公開になってしまっているみたいです。

CITY HUNTER』感想

フマジメな箇条書きだと、

  • Get Wild意外と序盤だった……
  • 朝美絢が銀橋渡る時の客席のオペラグラス上がる率が異常
  • キャラが出てきて総踊り!みたいな場面が(体感)多い(ので目が足りない)
  • あやなちゃんの槇村 こんな兄が欲しいNO.1

スターさん別の感想

咲ちゃんの冴羽は足が長長長~~~~so long!!って感じです。舞台が新宿というだけあって、みんな現代風の衣装を着ていて冴羽の服もシンプルなのですが、とにかくスタイルが良いので「あ、この人がトップスターなんだな~」っていうのが一目でわかります。序盤から女性のケツを追いかけまわしてブイブイとハッスルをかましまくっていて、とにかく体力が要りそう……!ただ女好きというだけでなく、仕事が入ればさらりと女の下を去ったり、ドライな雰囲気もしっかり出ていて冴羽の二面性を感じさせる演技でした。

きわちゃんの演じる槇村香は、あんまり宝塚の娘役っぽくない役なのでこれまた大変そうでした……!!私が脚本・演技ともに好みだな~と思ったのが、宝塚の舞台ではあるけど少女漫画のヒロイン的な方向に寄りすぎていない香のキャラクター像です。たとえば香よりアルマ王女を優先して助ける冴羽に対して、香は当然文句を言うことはなく、むしろ「いいとこ見せて挽回してやる!」という思考に行きつくところ。きわちゃんが(上級生なのもあると思いますが)スカステの番組などを見ているととても落ち着いた娘役さんなので、香の行動も力んでるけど痛々しくは見えなくて楽しめました。

こんなん恋以外ないやろ??となる、あーさのミック・エンジェル。出てきた瞬間から顔がいい。っていうかミックの周りだけキラキラのお星さまが飛んでいる幻覚が見える。金髪がとにかく似合いすぎる(黒髪で出てきても同じことを言いそう)。ミックエンジェル~♪みたいな歌でノリノリで踊ってるところとか、語彙力が消滅してメチャクチャよかった……しか言えません。
「二人でリョウを見返してやろう!」と言ったあと「WONDERLAND」のところとか、人懐っこい笑顔が消えてド真顔なんですよね。明らかに裏がありま~~す!って顔してます。ただの三角関係ともちょっと違ってて、宝塚プルミエールであーさが言ってた「リョウを好きな香が好きなんだと思います」っていうのがすとんと腑に落ちました。ミックは多分冴羽も香も好きだし、でも香が自分になびいたら冴羽を殺して本当に「世界で一人だけの最強スナイパー」の座を狙いそうな気もしたり……。陽気なアメリカ人と凄腕の暗殺者が同居してるイケメンで最高でした。
香の顔を両手できゅってして「本気なんだけど」みたいなシーンと、最後の「結婚式には呼ぶぜ♪」みたいな場面が超~~~~~~~~好きです。ミック・エンジェルの朝美絢を見られただけでチケット代にお釣りが来るレベルです。

観劇前のことなんですが、
私「あやなちゃんは槇村?ってキャラだって~」
ちょうどCH世代の母「え、槇村って1巻で死ぬけど?」
私「??????????????」
となっていました。蓋を開けたらしっかり登場してよかったです!()
槇村自体は深く掘り下げのあるキャラではないものの、要所で説明をする口調や総踊りの時の踊り方で、冴羽が「キザな奴」というだけありそう!と感じるキャラクターを確立していました。あとメガネとかサングラスが似合うな~~という気持ちに(あーさのブリドリでもあやなちゃん確かメガネかけてましたよね……!)
縣くんの演じる海坊主は出番こそ少ないですが、やっぱりビジュアルのインパクトが大きいです。でも縣くんの顔が大好き(面食い)なので、あやなちゃん槇村とは違う全く顔の見えないサングラスはちょっと寂しい気持ちもあります(?) 喫茶店での海坊主の一挙一動に癒されまくりました。

冴子さんを演じる彩みちるさんは、最初誰が演じているのか分からないくらいハマっていて驚きました。『ほんものの魔法使』で見たときは本当に15歳くらいの女の子に見えたのに、冴子さんは妖艶でカッコよさも満点!女のなりたい女!!って感じで文句の付け所がゼロです。演技力もそうですが、歌もうまくて、フィナーレでの槇村との絡みなど細かい部分のお芝居もかわいらしくて大好きでした。月組に組替えしたあとも見るのが楽しみです!

とにかく役名と台詞のある人物が多い(気がする)公演で、サブキャラもとっても魅力的でした。諏訪さきさんのアホのマサとかいい味出してましたよね……。それから野々花ひまりさんも特徴的なアニメ声がちょっとキャピキャピした葉子にぴったり!「お勘定よろぴくぅ~」の言い方が可愛すぎてうっかり財布出しちゃいませんか?出します。

彩海せらくんはお顔が大好きなんですが、ユタカの出番が多くてたくさん見られて幸せです。反抗期の息子なのにかわいすぎる。こんなカワイイ子が生まれたら私だったら女優業廃業です(え??)でも小林豊って名前だと某メンズアイドルしか出てこないのは私だけでしょうか……。

星加梨杏くんもお顔が大好きPart2です。織田は台詞の数自体はそれほど多いわけではないですが、冴子さんのいるときに一緒に出てくるので舞台上にいる時間が長く、場面場面の小芝居を見てニヤニヤしとりました……!アルマ王女と冴羽のドライブを止めるシーンで王女とジャンケンしたりあっち向いてホイしたり、ユタカと母親の和解シーンでウルっとして冴子さんにハンカチ借りてたり。いやもう目が足りんがな……(;;)カワイイ……。

↑読んでたら「あ~ね」ってなると思うんですが、雪組に気になるスターさんが多すぎて常に視線がとっ散らかっています。今の雪組って、スタイル抜群のトップ咲ちゃん・ドのつく美貌の朝美絢・立ち姿もノーブルなあやなちゃん・がっしりめ大型新人縣くんと、それぞれ遠目に見てもタイプがバラバラなのが最高に素敵だな~と思います。ここにソラカズキが入ってくるの、未来に希望が溢れすぎとる……!!

そのほか

ストーリーは、CITY HUNTERの原作を読んだことのない私でもとても楽しめました。人物が多すぎて雑多な印象は受けるのと、1回目は「誰がどれだっけ……!?」ってなったりしました(野上三姉妹とか)。でも登場人物が少なすぎるよりは多すぎてワチャワチャしているほうが好みなので、まったく嫌いではないです!笑
ミックの行動について考えてみると、まず理念として「最強のスイーパーは一人でいい」は本当に思ってそう。そのうえで、冴羽のことも香のことも好き。海原から王女暗殺を頼まれる→波風を立てないために承諾したふりをして冴羽に連絡→香と合流……という流れですよね。で、冴羽がアルマ王女で手一杯で香のことを守れないタイミングでは香を守るために手を組んだり、裏切ったふりをしてみたりしていた、っていう理解で合ってますかね……。

スカステで『MY HERO』を見たとき、「これが宝塚……!?」って驚いた覚えがあるのですが、『CITY HUNTER』もサイトー先生であのときと同じ衝撃を受けました。まずオープニング映像があるのがめーーーっちゃいい!それだけじゃなくて「本物のシティーハンターだったら……結婚してあげてもいいわよ~??」の場面とか、絶対いらんやろみたいなところにも映像を挟んでくれるのが最高です。最後に冴羽咲ちゃんと香きわちゃんの写真が同じアングルの原作絵に変わるところも、原作へのリスペクトが感じられる演出でした。
あと作中の時代に合わせて、当時の宝塚でやっていた公演の宣伝が出たりするのもオシャレでした。杜けあきさん主演のベルばら!ちょうどこないだスカステで見たな~とか……。あと原作者のコスプレっぽいものが登場したり、ミック・冴羽・香の三人で雑誌の表紙パロみたいな画像が出てきたり。何度観ても楽しいだろうな、と思える作品で、あと5回くらいは観たいです……ウウウ。

『Fire Fiver!』感想

ショーの感想の書き方が芝居以上に分かってないので、こっちはかなり短めです()
初めにネガティブなことを書いてしまうのですが、1回目に観劇したときはとにかく音割れが酷かったです……。中詰めでスターさんが歌唱する場面ではどの人も音がガビガビに割れていて、全員で歌うところも(本当はそんなことないのに)不協和音に感じられてしまいました。歌だけでなく演奏もノイズが入っているように聞こえました。2回目は母と観劇だったので「大丈夫かな……」と心配していたら、1回目が嘘のように音割れのおの字もなかったのでエッあれは幻聴……?ってなりました。何にせよ直していただけてよかったです!!(せっかくスターさんが声を張り上げていても音響のせいで音が割れていたら悲しいので)

最序盤の咲ちゃんときわちゃんの衣装が二人だけ黒なのがおそろい感あってよきでした。「Fire Fiver!」は強めのインパクトある曲ですが、そのあとに二人で歌ってた曲は結構かわいらしい雰囲気のものだったような?
あーさの伯爵(?)がモテまくって女の子に追いかけられる場面がある、というのは前情報で知っていたものの、実際見てみると想像と違って面白かったです!笑 まず髪型がトンチキ寄りなんですよね、金と黒で前髪(?)がスコーンと立ってて後ろがくくったロン毛です。運命の女性を探していろんな女の子にチュッチュしまくった結果、全員から「お前が悪い!」と詰め寄られることになります。舞台上を縦横無尽、銀橋を渡って逃げるも最後には「身から出た錆~♪」でシメられてたのも笑えました。

それと何より噂の(?)ほぼ全員ロケット……!!最初に飛び出してきた下級生中心のロケットだと、真ん中はたぶん華世京くん?ですよね。そのあとは主にあーさと縣君を眺めてました。きわちゃんと咲ちゃんの間に割って入るときの動作が完全に男役の朝美絢、最高や……。ずっと「眼福だな~~~~~」と思いながら双眼鏡を固定してました。縣くんダルマは最後のほうまで残るのですが、それも動きから男役感が出ていてかわいかったです。縣くんの細さを見て、よくこの細さであの海坊主が出来上がるなあと改めて男役の技術の凄さを感じました。

「白い雪~ブランカ♪」みたいな、野々花ひまりちゃんとあやなちゃんの場面。こういう彼氏感溢れる綾凰華さんがカッコよすぎて困る現象に名前をつけたくなりますが、とにかくカッコいいです(それしか言えない人)。その後不死鳥がババーンと出てきて、咲ちゃんのあとは縣くん中心に下級生(たぶん)がゴリッゴリに踊ります。この場面の縣くんには特に惹きつけられました。真ん中でこんなにものびのびと楽しそうに踊るんだな~と、ダンスの技術のことは何も分かりませんがずっと見ていたくなりました。縣くんのバウ公演、チケットが手に入る気がまっっっっったくしませんが観に行きたいです。

うっかり公演プログラムを大学に置き忘れたために(!?)ショーの記憶があやふやすぎて、順番など前後していたらすみません。1幕も2幕も楽しさ満点で、「宝塚にハマれて幸せだな~~~」と叫び倒しています。次に大劇場に行くのが多分バロックロックまで飛ぶので、宝塚の空気が恋しくなったら公演がなくても吸いに行こうかなと思います(え?) 観劇自体は9/7に『銀ちゃんの恋』を観に行く予定なので、そちらもまた感想が書ければなと。いい加減表現力がついてほしいのに、毎度同じような萌えを叫ぶ記事ばかりで申し訳ないです……、

おニューの双眼鏡を買ったらハッピーになった話

こんにちは、のきやでです。
8/21、『CITY HUNTER』の公演前に新しい双眼鏡を買いました……!!!!!せっかくなので短いながら双眼鏡に関する記事を書こうと思います(?)
まずこの記事も含めてそうなんですが、双眼鏡を買ううえで参考にするべきはオタクのブログではなく各社のサイトかなと……。そのうえで、あくまで主観100パーセントで手持ちの双眼鏡について記述します。

↓参考にしたサイト
www.kenko-tokina.co.jp
www.binoclub.net


1600円の双眼鏡から5600円の双眼鏡に買い換えました。買い換えたというか、友人や家族を連れて2人で観劇に行くことが多いのでもう1台の必要性を感じての追加購入です。

↓以前使っていた双眼鏡
ミザールテック MIZAR BF-821 [コンパクト双眼鏡 8倍 21mm]
https://www.yodobashi.com/product/100000001001942310/
(公式サイト)
https://www.mizar.co.jp/product/view/118

↓今回買った双眼鏡
ケンコー Kenko SG-M 8x25MC
https://www.yodobashi.com/product/100000001004494120/
(公式サイト)
https://www.kenko-tokina.co.jp/optics/binoculars/compactp/sg02/4961607012246.html


Amazonより信頼できる(Amazonは同じ製品が何個も表示されたり、中国の怪しい業者が出品していたりする)と感じたのでヨドバシで購入しました。ヨドバシ.comは送料無料で届くのも早いのでおすすめです。倍率はS席でもB席でも使えるものが良かったので8倍一択でした(贔屓がいないのであんまり高倍率である必要がない人です)。

以前の双眼鏡について、これは「双眼鏡 8倍」で検索して出てくる中で一番安かったものです。カタログスペック上では8×21・明るさ6.9・そして実視界がもう少し高価格帯の同倍率双眼鏡と比較しても広めの7度でした。
使い心地なんですが、そもそも比較対象がないので不満も満足も特にありませんでした……。

新しく購入するうえで考えたことは、

  • (今持っているものより)明るさが大きいものがいい
  • 重さはぶっちゃけどうでもいい
  • メガネをかけないのでアイレリーフにもこだわりなし
  • ズーム機能なし

です。

つまり明るさ以外どうでもいいぜ!ということなので、対物レンズ有効径がより大きく、値段が予算くらいだったものを購入しました。カタログスペック上では8×25・明るさ9.8・実視界6.7度ということで、明るさは1.5倍ほど明るく実視界が若干狭い、と言う感じです。
さっそく1幕で使ってみたら、
朝美絢ミックがめちゃくちゃクリアに見える……。

明るいのはもちろんなんですが、色がくっきりして見えます。前の双眼鏡単体では気づかなかったんですが、明るすぎると白っぽく見えてしまっていたようです。これはレンズのコート方法をマゼンタコート→マルチコートに変えた影響もありそうです。フルマルチコートだったらきっともっとはっきり見えるのでは……??
そして実視界の差は正直まったくわかりません。もっと違えば気づくのかもしれませんが、0.3度ではそんなに大きく変わらなさそうです。

重さは、新しいもののほうがはっきりと重いです。秤で計測したところ前のものが146g(カタログ上では160g)、今回のものが276g(カタログ上では276g)でした。ただ観劇はライブと違って使わないときは膝に乗せればいいので、重さを気にする必要はないと思います。

反省 次回購入してみたい双眼鏡

コロナが終わって4連でチケットが購入できるようになったら、双眼鏡をあと2つ買っても無駄にはならないということなので(!?)次に買う双眼鏡を物色してみました。

https://www.amazon.co.jp/Kenko-Mirage-8%C3%9742-%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0%E5%BC%8F-103172/dp/B0016OJB8G/ref=asc_df_B0016OJB8G/?tag=jpgo-22&linkCode=df0&hvadid=266475471047&hvpos=&hvnetw=g&hvrand=10001844589591032369&hvpone=&hvptwo=&hvqmt=&hvdev=c&hvdvcmdl=&hvlocint=&hvlocphy=1009540&hvtargid=pla-523199811037&psc=1
8×42、明るさ27.6で5400円……!?!?!?!?ただしマゼンタコートなのでどれくらいはっきり見えるかは謎。

Amazon | SVBONY SV40 双眼鏡 望遠鏡 高倍率 8x32mm ダハ式 FMC 実視界7.2 ° 防水 軽量 メガネ対応 スポーツ観戦 コンサート 旅行 野鳥観察 オリンピック
8×32、明るさ16、フルマルチコートで3980円!?!?!?!?今回買ったやつより安い!?(錯乱) 実視界も7.2度と少し広め。中国メーカーで若干説明の日本語が怪しいものの、レビューはサクラぽくなくおおむね好評価。次回買うならこれかも……という双眼鏡。


ちなみにヅカオタをするだけなら劇場メインなので防振はいらないかな~と思っています……。もしよければコメント欄などでおすすめの双眼鏡を教えていただきたいです!
ここまで読んでくださってありがとうございました。