「六辻のノクターン」感想


作者:杜 茶六太様
配布サイト:http://bmoyashi.xxxxxxxx.jp/
プレイ時間:1週30分程度(公式サイトより、体感もう少し短め?)

 

次は僕僕僕の感想で〜すとか言ったな。あれは嘘だ。(本当にすみません)
今回は久々のB級もやしさん!「六辻のノクターン」の感想です!

 

毎作ながら絶妙なキャラクター性、ほんのり薄暗さを感じるお話等ドツボで今回も楽しくプレイさせていただきました!
以前「棚からサンタさん」の感想を書かせて頂いたことがありますが、ゲームの雰囲気はそちらに近いです。また、配布サイト様には胸糞注意とありますが、私はそこまで胸糞悪さは感じませんでした(理由は後述します……!)

 

ちょっと注意ポイントとして、名前変換は最初に入力欄が出てくるタイプではなく、ゲームを開始してからコンフィグ画面で変更するタイプです!

 

ざっくりあらすじ
不思議な空間で目を覚ました主人公(名前変換可)は、ビーサンと名乗る男に出会い、失った記憶を取り戻すために4つの扉から出かけます。
4つの扉それぞれが失った記憶にゆかりのある地に繋がっており、主人公はそこでおにぎりという幼馴染に導かれ、この空間から出られるよう奔走する……というお話です。

4つの扉を出入りする順番や、出た先での選択肢はED分岐には影響しません。最後に黒い扉から出て以降の選択肢がED分岐となります。配布サイト様にある通り、攻略は簡単です。

私がこのゲームに胸糞悪さを感じなかったのは、「このキャラクターはどうしてその行動/思考をするようになったのか」が短い中にきちんと描かれているからです。主人公もおにぎりもビーサンも、それぞれがずるさを持っていて、特定の一人が「悪役」というレッテルを背負っているわけではないことも好感持ちまくりでした。

 

※以下ネタバレ有
4つの扉の先にあるのはビーサンとの記憶。ビーサン、おにぎり、主人公と3人で幼少期を過ごしたけれど、不慮の事故でビーサンは亡くなり、罪悪感を抱えた主人公とおにぎりだけが残ります。死者であるビーサンと生きている主人公/おにぎりの対比が非常に鮮やかな構図で分かるゲームでした。
生きていくためには、どうやったって(それが良いか悪いかは別に)変化を続けなければなりません。ビーサンにはそれが耐え難いことだったけれど、死の淵に立っている間に彼もまた変わってしまっていたことに主人公の言葉で気づく……というシーンが印象的でした。
ED6のみ全エンドクリア後?に解放されるのですが、これは言ってしまえばおにぎりエンドです。主人公のことが好き、ということ以外いまいちよく読めないおにぎりの真意が分かります。
その世界(主人公の精神世界?)にあるビーサン関連のものを消し去っていくおにぎり。その度にビーサンの姿はかすれ、主人公は彼に関する記憶を失っていきます。
そこで消えかけのビーサンの言った「……それ選んで生き地獄だったとか言うなよ。」というセリフが本当に好きです。そのあとに、おにぎりが「そういうところが嫌いなんだよ」と返すのも。
その短い会話の中に、彼らが今までどのような関係にあったのか、ビーサンがどんな性格だったのかが詰まっていてホント毎度天才のシナリオをありがとうございますとしか言えません(墓場)。

 

乙女ゲームというより、とある3人組の人間模様を覗き見るような、そういう魅力があります。ぜひプレイしてみてください〜!

 

以下余談で申し訳ないのですが、このたび「Wing Search」様に登録させていただきました!これからは感想を書いたあとぺたっとリンクを張ると思いますが、当ブログはアフィリエイトやら何やらもろもろ等はもちろん行っていないため、あまり気にしないでください(同好の士とお知り合いになれたらな~という下心はありますが……)。

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