【感想】『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-/Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』(2021・宙組・宝塚大劇場)

2023/03/21 旧ブログより移転

下書きにずっと放置していたつもりが誤って消してしまったので、あと1週間しないうちに東京宝塚劇場公演も始まるというのに1か月前のあやふやな記憶で書いています。間違ってたら本当にすみません……。
7/17と7/19に宝塚大劇場で観劇してきました。初めての宙組さんだったので、見分けがつくかな(?)とちょっぴり不安だったものの、むしろ今まで観た組の中で一番スターさんの見分けがつきやすいまであります(路線スターさんの体格が遠目から見てもかなり違うため)。

シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-

作品概要

19世紀末イギリスの小説家コナン・ドイルが生み出した不滅のヒーロー、シャーロック・ホームズ。その人並み外れた洞察力と観察力、そして変装術を駆使する名探偵の縦横無尽の活躍を描いた「シャーロック・ホームズ・シリーズ」は、時代と世代を超えて今尚、様々なメディアで世界中の人々を魅了し続けています。
稀代の名探偵、シャーロック。その宿敵となるジェームズ・モリアーティ教授。ただ一人、シャーロックの心を動かした「あの女」、アイリーン・アドラー・・・
「罪を追う者」。 「罪に生きる者」。 そして、「罪を背負う者」・・・
「罪」によって分かち難く結ばれた三人のキャラクターの描き出す幾何学模様(トライアングル・インフェルノ)!
「人」とは? 「罪」とは? そして「愛」とは? 
霧と煙に包まれた都・ロンドンを舞台に、数多の難事件を解決してきた名探偵の挑む冒険活劇。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2021/sherlockholmes/index.html より引用

感想

いや、潤花さん、メチャクチャメチャクチャ可愛い……!?!?!?!?!?宙組さん初観劇で潤花さんを見たのも初めてなんですが、アイリーンの小悪魔な笑みが非常に似合っていて魅力的!衣装もメインである黒のロングドレスはシックでありながらもディティールが美しく、スカラ座の歌姫として登場するときの白いドレスはそれと対照的に華々しい装いで、どちらも潤花さん演じるアイリーンにぴったりでした。
今回、全体的に衣装が暗色でまとまっていたにもかかわらず、地味な舞台だとは全く感じなかったので、あらためて衣装部のこだわりというか力量を感じました。
あとアイリーンと真逆の女性、という雰囲気を持っていたのが天彩峰里さん演じる、ワトスンの婚約者・メアリーです。アイリーンは己の居場所を求めて転々とし、自分を救ってくれたモリアーティ教授は犯罪組織の幹部だった……と踏んだり蹴ったりな生い立ちですが、メアリーからは心底穏やかで優しい婦人という印象を強く受けました。ホームズと別れ、ひとり荷物を抱えて歩くアイリーンにメアリーが声をかける場面など、この二人がまったく違う人生を送ってきたのだろうと想像が膨らみます。メアリーもまた可愛らしく、ワトスンとふたり、夜の街でと喜びを歌うシーンの幸せなムードは見ていてニコニコしちゃいます。

芹香斗亜さん演じるモリアーティ教授は、スカステでCM動画を初めて見たときは「なんだか不思議な形状のウィッグだな……?」と思ったのに、舞台で見てみると驚くほどハマっていてイケメンでした!私は原作を読んだことがなく、数年前ハマっていたスマホゲーム(FGO)にモリアーティというキャラがいたな~なんて観劇前に思い返していましたが、芹香さんのモリアーティはどこか幼く危うい感じの美青年で、普段は無邪気なしゃべり方をするのにその所作には色気があって……という、複雑なキャラクターでした。
そんなモリアーティ教授ですが、ホームズも政府高官を兄に持つと知った時の「そうか、僕たちは似た者同士なんだなあ!」という喜び方から、彼に執着していることが窺えます。今作ではモリアーティという人物自体の深堀りはほぼなく、あくまでも立ちはだかる宿敵としてだけ描かれています。そういう意味では、演じるうえでのキャラクターづくりが難しそうだと思いました。

それから17日に観劇した父が大絶賛していたのが、和希そらさん演じるレストレード警部です!和希そらさん、踊らせても歌わせても演技しても上手いみたいな何でもできるスーパーマンだ……とは思っていたんですが、レストレード警部のドスの効き方が本物で、確かに悪役と言われても納得のいく貫禄でした。
あと、宙組全体的にスタイル良すぎない!?と見ながら思っていて……瑠風輝さんも顔のカッコよさやスタイルの良さに思わず見惚れてついついオペラグラスで追いかけてしまいました。

最後の「ライヘンバッハの滝に落ちて~」みたいな原作のくだりは知識としては知っていたものの、「え、手錠でつながってるのに横穴に落ちたってことはしばらく二人きりやったんか……?」とオタクの邪推が頭を覗かせました。

物語自体はテンポよく進み、ビジュアルも文句なし・歌もダンスもすっごくかっこよかったです。ただせっかく「シャーロック・ホームズ」の名前を冠しているのに推理要素がゼロで、予想を裏切るようなどんでん返しがありませんでした。もちろん、1幕しかない分お話をコンパクトにまとめないといけないことは分かっていますが、この作品だけ見てもモリアーティがどんな風に策に秀でていたのかが分からなくて、結果としてモリアーティとシャーロックの因縁の関係!モリアーティを追いつめられるのはシャーロックだけ!という要素が説得力に欠けてしまうように思えました。
本当に些細な場面(たとえばマイクロフトがワトスン達に「それで、いつご結婚を?」と聞く場面など)でいいので、何か1つでも推理の肉付け・天才キャラクターの天才たる所以があればもう少し印象が変わった気がします。

とは言ったもののとっても楽しかったです!!!!マジで!!!
とにかく私は潤花さんの笑顔が超タイプという気付きを得たので、今度は天真爛漫な女性の役とかも演じてみてほしいです(個人的な欲望)。

Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里- 感想

最初から最後まで見せ場しかない、とにかく目が忙しすぎるショー
まず私スカステで「SUPER VOYAGER」を見てから「いつか野口先生のショーを生で観劇してみたい……」と思っていましたが、そのチャンスがこ~~~~んな早々にやってくると思わなくて幸せです!しかも期待を裏切らない最高に煌びやかでゆめゆめしい世界観で、もうこのショーだけあと50000回くらい見たいが……と思ってました。

私が宝塚に興味を持ったのは客降りや入り出待ちの休止後なので、ペンライトを使って参加できる演出も野口先生の心遣いを感じてうれしかったです!マカロンシャンシャンペンライト、出たときは散々ダサすぎるって言われてたのに、my初日で周りを見渡すとみーんな生クリーム的な飾りやらラインストーンやらで可愛くデコレーションしてて「これがヅカオタ……!!」と衝撃を受けるなどしました。ジャニオタとかヅカオタってキラキラデコデコみたいな文化ありそうだけど、私はキモめの二次オタ出身なのでそんな発想には1ミリも至りませんでした……。

話を戻してショーの中身について。
腹ペコの潤花ちゃん(←これも衣装が激カワ)がパティスリーに到着すると、真風パティシエの作ったスイーツたちがキラキラ踊りだして……みたいな出だしから始まり、開始早々にペンライトの出番が来ます!桜木みなとさんの振り付け講座を何度も視聴してたのでかろうじて(?)覚えられました。このショーのメインっぽい衣装の、光沢感ある紫のシャツにシャンパンゴールドのベストがほんっとうにかわいらしいです。
あと桜木みなとさんが演じる(?)チョコケーキのお衣装で、ぱっと見は普通の帽子なんだけど上の部分がケーキっぽくなってるのがハットを外すと分かる……っていうのに感動しました。こういう細かいとこがキラキラしてるのカワイイ(;;)

あとは初日から千秋楽まで話題を攫い続けたキキトワネット様!!
わかる~私もおいしいラーメンと美男役が生きる活力だよ~~(??)と謎の共感が湧き出てきます。あのフリッフリのドレスで難なく大階段を降りてくるキキちゃんさん、ドレス慣れしててすごい。
タカスペ2019をテレビで見たときも思ったんですが、キキちゃんってフリフリのドレスでクッソドス効いた声カマすのが天才的に上手いタカラジェンヌ第一位じゃないですか……!?
この場面ではトンチキフリルな男役スイーツによって、聞き覚えのあるクラシックの名曲たちがとんでもない歌詞で客席に届けられます(褒めてる)。こんなキャピキャピな歌詞つけちゃってええんか……野口先生だからええか……(?) ソラカズキのクレープ伯爵(侯爵だっけ)がクレープ生地っぽいマントをヒラッヒラさせてるのとか、キキトワネット様にドス怒られてるのとか、いやほんと観に来てよかったな……という気持ちになれます。あともえこってぃの双子、顔面偏差値が53万ですごいです。その美美美ー美・美ー美美の顔でそんな根暗っぽくはならんやろ(偏見)

もうこの場面を見ただけでチケット代の元が取れるどころかお釣りが来るレベルなのに、桜木・網タイツ・みなとの破壊力たるや……。これ劇場で見たときはよく分かってなかったんですが、パンフレットを読んでみるとあの場面はレビュー小屋で、女たちは高級娼婦だったんですね。ここで出てきた真風さんがティーンズラブ漫画みたいな軍服と鞭を持っていてもう驚きを通り越して「なるほどな~(納得)」ってなります。
↓完全にこういうやつでしょ(違います)(違います。)
www.cmoa.jp

その後出てきた潤花ちゃんがずんちゃんと真風さんを取り合うんですが、3番手とトップ娘役でトップスターを奪い合う構図めちゃくちゃ最高です……。とくに「この泥棒猫が!!」みたいな感じで潤花ちゃんのほっぺをパシィーーーン!!と張り倒すシーンでは、女の闘いを見せてもらってる~~!!!みたいになってテンションが爆上がりします。

それからキキちゃんがセンターになってステッキ?を持って歌って踊る場面(プログラム的に多分第16場)。歌も踊りも魅力的で、スターさん自身の力で華やかに輝いていてずっと見ていたくなりました。ここから初舞台生のラインダンスを挟んで、全人類大好き(主語がデカい)巴里野郎です!!フランス国旗の赤青白をそれぞれ身に着けて男役がキメキメに歌い踊ります。「美男子ジゴログループ」っていい響きですね。無形人類文化遺産です。銀橋ではずんちゃん・ソラカズキ・もえこちゃんが毎回違ったワチャワチャを見せてくれるので、オペラグラスでガン見必須です。

なんか1か月経って振り返っても、わたしというキモオタクの願望が詰まりすぎていて実は夢オチだったんじゃないか……と考えてしまうくらい大好きなショーでした。宙組に幸あれ……(?)

余談

これを書いている間にソラカズキの組替えが決まり、CITY HUNTERのmy初日を迎え、たまきちの退団をライブ配信で見届けました。情緒がぐちゃぐちゃすぎますが、気持ちを落ち着けて次はCHの感想を書いていきたいです。あとたまきち退団だしちょっと見てみようかな、と軽い気持ちで見たAll for Oneが面白すぎたのでこれも書きたい……。最近ブログの更新が途絶えがちですが全然元気に生きてます。